ずっと読んでみたかった本のうちの一冊です。
かんてんぱぱの企業理念がよくわかり、そして、こんな会社で働いてみたい、そう思える本です。
「永続」こそ、企業の最大価値。
表紙帯から
「いい会社」は人に喜ばれる仕事を積み重ね、日々ファンを増やしていきます。景気の波に左右されず、末広がりの安定成長を続けます。会社をとりまく人々の幸せに貢献し、着実に永続していきます。
二十一世紀のあるべき経営者の心得
一 専門のほかに幅広く一般知識をもち、業界の情報は世界的視野で集めること。
二 変化し得る者だけが生き残れるという自然界の法則は、企業経営にも通じることを知り、すべてにバランスをとりながら常に変革すること。
三 永続することこそ企業の価値である。急成長をいましめ、研究開発に基づく種まきを常に行うこと。
四 人間社会における企業の真の目的は、雇用機会を創ることにより、快適で豊かな社会をつくることであり、成長も利益もそのための手段であることを知ること。
五 社員の士気を高めるため、社員の「幸」を常に考え、末広がりの人生を構築できるように、会社もまた常に末広がりの成長をするように努めること。
六 売る立場、買う立場はビジネス社会において常に対等であるべきことを知り、仕入れ先を大切にし、継続的な取引に心がけること。
七 ファンづくりこそ企業永続の基であり、敵をつくらないように留意すること。
八 専門的知識は部下より劣ることはあっても、仕事に対する情熱は誰にも負けぬこと。
九 文明は後戻りしない。文明の利器は他社より早くフルに活用すること。
十 豊かで、快適で、幸せな社会をつくるため、トレンドに迷うことなく、いいまちづくりに参加し、郷土愛をもちつづけること。
会社は社員の労苦に報いるために、発展し、利益を生まなければならない。会社の発展を通して、社員がみな、幸せになり、社員の幸せを通して社会に貢献するべきだ
運をつかまえる人は、行動力があって、先見性がある人だと確信しています。
常に、「本来あるべき姿はどうなのか」、「目的は何なのか」という目で冷静に見定めていることが大切です
「好況対策」こそ、国が本来なくべき経済対策だと考えています。いわば、山の突出した部分を削り、成長の曲線をゆるやかにすることです。景気の波は小さく、平坦に近いほど良いと思います。
老舗経営の本質は「不易流行」であるといわれます。
一 無理な成長をしない
二 安いというだけで仕入れ先を変えない。
三 人員整理をしない。
四 新しくより良い生産方法や材料を取りいれていく。
五 どうしたらお客様に喜んでいただけるかという思いを、常にもちつづける。
老舗では、経営と文化が一体になっています。・・文化の香りを馥郁と感じさせる企業はイメージがいいですし、長くつづいています。
長いあいだ苦労してきてくれた社員に対しては、家族として敬わなければなりません。
この方は幼少期に父親を亡くされ、貧しい家庭に育ったようです。そのために、「幼いころから人の情にずいぶんと助けられ」たそうです。だからこそ、「情の通う経営をしたい」という思いを持っていたようです。
そのあとも苦学生でバイトをしながら高校に通い、栄養不足と過労で肺結核になり、退学した経験もあるそうです。
普通の人間なら挫折してしまうところですが、この方がすごいのはここで退学前までは成績優秀だったからやればできるという自信につなげたそうです。やはり、というか社長になられる方というのは状況を呪わず、いいとこ探しが上手でポジティブですね。
起業家、経営者になりたい方はもちろん社会人として社会の一員として暮らしていく人にも一読の価値がある本だと思います。
新訂 いい会社をつくりましょう
塚越 寛
Amazon:いい会社をつくりましょう
楽天:いい会社をつくりましょう新訂 [ 塚越寛 ]
ISBN:978-4861136337
はしがき いい会社をつくりましょう~後輩に伝える経営理念~
プロローグ 経営理念の共有は「いい会社」の土台
第一章 目的と手段
第二章 自然体経営
第三章 開発型企業として”種まき”を
第四章 モラール経営
第五章 「かんてんぱぱガーデン」に込めたこころ
エピローグ 学ぶ目的
忘己利他の経営で、苔むす会社に ―新訂版の発刊にあたって
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